ネット時代の旧メディア考察① ~テレビはやはり強い?~

私は、Podcastを利用して日々のラジオを聞くという生活を、iPod nanoの第1世代が発売された2006年から、かれこれ10年続けています。

現在はXperia等のスマホで、10年前から聞いているTBSラジオの森本達郎さんや、荒川強啓さん、
iPod nano 第1世代
伊藤洋一さんらの番組を、長年のお友達気分で聴いています。

やはり、朝のラッシュ時の電車の中や、歩いている最中等、スマホを見ることが出来ないシチュエーション時、いわば「~ながら」のリスニングは、注意力が散漫になる、危険等と非難の声もありますが、なんとなく、効率が良いように感じられ、止めることは出来ない状況です。

一方、世間では、インターネットが、テレビやラジオ、新聞、雑誌等の旧メディアの売り上げを減少させていると言われて久しいです。

これがいつ頃から言われ始めたかを調べると、大体、上記のiPod nanoの第一世代が発売された頃と一致します。

1.放送メディアの売上推移について

そこで、インターネットによって既存メディアが、どれ位売り上げが減少しているかを調査しました。

それが、下図のグラフです。

民間放送事業者の1社当たりの売上高の推移   
     出典:電気通信協会 第76回特別講演会資料抜粋
この図は、平成5年の1社当たりの平均売上高を100として、各年度の1社当たりの平均売上高をプロットしたものです。

驚きませんか?まずTVですが、全然売上が落ちていません。インターネットの影響で減少するどころか、逆に伸びています。

ラジオについては、FM、AMともに予想通り下がっています。特にAMはひどい。

これはどう考えればいいのでしょうか?

2.ネットとTVは相性がいい?

映像系については、ネットとTVとは、自然と役割分担がしっかり出来てしまっていると思います。

例えば、YouTubeに幾ら動画宣伝を出しても、知名度が無ければ見に行く人は稀でしょう。
また、ある商品の詳細情報をTVに求める人はおらず、それはネット検索を頼りますね。

つまり、TVは、見ている人に商品情報を圧してくるPush型、商品の詳細を知りたい人は、ネット検索で情報を牽いてくるPull型と、役割分担が、自然にかつ綺麗に出来ているのです。

出典:http://www.garbagenews.net/archives/2020115.html
これは車の両輪のような相乗効果がある訳です。

なので、TVで商品が宣伝される程、ネットでも検索が盛んになり、益々商品は売れます。

これは、雑誌等のメディアとは大違いですね。

上の図を見てください。

この図の「HUT」とはテレビの総世帯視聴率(Households Using Television、テレビをつけている世帯)を意味します。

ずっと落ちていますね。視聴率の年々の低下は、やはりスマホ利用時間の増大に伴うものと考えられます。

視聴率は落ちているのに、宣伝広告モデルによる収益は伸びている。不思議です。

多分、TVの見方も、最近は「ながら見」(何かをしながら見る見方)が主流となっていることを意識して、宣伝の出し方を工夫しているのでしょうね。パッと見のイメージや、雰囲気的なものなど。スマホ・タブレット等との役割・機能分担を意識すれば、それなりのコンテンツが出来ると思います。

まあ、当面TVは大丈夫そうですね。よかった、よかった。

しかし、ラジオは??

長くなりましたので、今日はここまでにして、次回はラジオについて考えてみたいと思います。

ボタニカル・ライフ

こういうのいいなあ。

肩肘張らずに、ベランダで植栽。メダカや昆虫等も入って、小さな、いとうせいこうワールドが出来ているのです。

「ガーデナー」を庭を持つブルジョア的、のように自己定義的に捉え、これに対し狭いベランダで植栽している自分を「ベランダ―」と自称し、一線を画したがるあたりの中年男性の拘りが、可愛いと言うのか、ポーズを取っているというのか。。。

時々、自分の溺愛する鉢植物らの擬人化表現が面白すぎて、笑い転げさせられます。
一方、ある話は、植物や昆虫、メダカ等の小動物の命に対する真摯な想いというか、いとうせいこうさんの彼ら(?)生命に対する深い愛を感じることがあり、ホロリとさせられることもあります。

元々ブログとして書いていたものらしいですが、緩急極めりという感じですね。

「上手いなあ」とため息が出ます。

これをさらっと、ブログで書けるあたりが、流石根っからのプロという感じです。

ちなみに、NHKの番組で、この本が原作のドラマを演っていますが、あれは植物をトリガにした人間関係がメインの話なので、原作とは全然違う話だと考えて良いと思います。それはそれで面白いですが・・・

続編もあるようなので、楽しみです。脱力系読書家向きですね。

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うらなり


「坊ちゃん」を若い頃に読まれた方は多いと思います。

うらなりと言うキャラクターを覚えていますか?

四国松山の古賀さんという真面目だけど、少々陰気くさいキャラクターが出て来て、赤シャツなる策士に婚約者であるマドンナを横取りされるために、巧妙に宮崎の延岡に飛ばされる。

若い頃、読んだ時は、「自分は絶対、うらなりタイプではない」と思った方も多いのではないでしょうか?

坊ちゃんは、彼独特の正義感から、このうらなりに過分に同情し、同じく正義感の強い山嵐と、赤シャツらを懲らしめに入る。むしろ、若い頃は、自分を坊ちゃんや山嵐的な正義感の強い人間に重ね合わせて読まれる方の方が多いと思います。

ただ、うらなりも当然、正義感はあります。ある意味、坊ちゃんや山嵐は、蛮勇の持ち主であり、今の時代の多くの方には当てはまらないのではないかと思います。(暴力ふるったり、玉子投げつける等の大人はあまり見ませんものね。)

むしろ、うらなりの方が温厚でサラリーマンの鏡のような感じがします。

特に、ある程度、人生の深みを経験して来た歳になると、うらなりこそが、自分の人生と重ね合わせられるキャラクターなのだと気が付くはずです。

彼の人生にドラマチックな展開は起きません。淡々と働き、妻を貰い、家族が出来、孫が出来、そして妻に先立たれるという、坊ちゃん事件以降の彼の人生が、時代の変遷と伴に淡々と描かれています。

マドンナとの再会でさえ・・・

そして、小説の最後、うらなりの現状を記した49文字は、「やはり、そうなるのかな」と思わせるものですね。

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